「ボブにしたけれど失敗してしまった」という経験のある方はいらっしゃるかと思います。
ボブで失敗しないためには、骨格・髪質に似合うようにカットする事がとても重要です。
ボブは長さの設定、軽さの調節、カットライン、顔まわりのデザインで似合うか失敗するかが決まります。
そのどれか一つでもずれてしまうと、「失敗したボブ」になってしまう可能性があります。
今回はボブで失敗しないための似合わせポイントと、髪型の選び方を解説させて頂きます
目次
ボブが失敗してしまう原因
「ボブ」は長さ・軽さ・カットライン・顔まわりのデザインによって、たくさんの髪型があるのが特徴です。
失敗してしまう原因は以下のような事が挙げられます。
①顔の輪郭に対して長さ・顔まわりのデザインが似合っていないために失敗
②頭の骨格に対してカットラインが似合っていないために失敗
③髪質に対して軽さの調整が似合っていないために失敗
④生えグセ・髪のクセに合わせたカットをしていないために失敗
⑤ヘアカラーとのバランスが合っていないために失敗
⑥カウンセリングでイメージ共有ができていないために失敗
この全てが揃って初めて「失敗しない似合うボブ」にすることができます。
それではどうすれば「ボブで失敗しない」のでしょうか。
答えは簡単、失敗してしまう原因を全て無くすことです。
カットのビフォアアフター
ボブにして失敗しないためには、カットの長さと形のバランスがとても重要です。
こちらは蛭田が実際にカットさせて頂いた女性のカット前とカット後の写真にな
輪郭や髪質に似合うようにカットすることで、絶対に失敗しないボブが完成します。



失敗しないボブ①顔の輪郭に対して長さ、顔まわりのデザインを似合わせる
例として「面長」や「丸顔」に似合わせるためには、以下のようなデザインにするのが失敗しないポイントです。
面長さんで失敗しないボブにする方法
面長を小顔に見せるには縦の長さを隠して狭く見せ、横幅を広くする事でバランスの良い小顔に見せる効果があります。

髪型のシルエットは「サイドにボリュームのある、少し段の入ったボブ」が似合います。
下に重さを残してカットする事で、横幅を広げる事ができます。
直毛の方やボリュームが出づらい方は、パーマをかけるかアイロンで巻くとバランスがもっと良くなります。
サイドにボリュームのないボブは、面長を強調してしまうので注意が必要です。

顔まわりはサイドにボリュームや動きの出やすいデザインにします。
カットで段(レイヤー)を入れる、パーマで動きを出すなど
横幅を広げることでバランスを整えて、失敗しないボブに。

前髪は目の上ギリギリで作ることで、顔の縦幅を狭くすることができます。
前髪の幅を少し広めに取ると、さらに縦と横のバランスを調整することで失敗しないボブに。
長めの前髪は顔の縦幅を広げてしまうので、おでこを少し隠して分けるなどの注意が必要です。

前髪の幅を広げる場合は、顔まわりへ綺麗につなげる事がポイントです。
横幅を広げながらも小顔に見せるためには
フェイスラインに沿って曲線を描くようなカットラインを作ります。

丸顔さんで失敗しないボブにする方法
丸顔は横の丸みを隠してシャープに、縦幅を広くする事でバランスが良い小顔に見せる効果があります。

「前下がりボブ」
長さはアゴからアゴ下で、平行から前下がりのラインにします。
前下がりにすることで顔まわりを引き締めて見せる効果があるので、失敗しないうボブになります。

「少し段の入ったひし形シルエットのボブ」
サイドにボリュームを出すことでハチが張って見えなくなり
頬にかかる自然な毛流れが丸顔をカバーするので、失敗しないボブになります。
段を入れすぎると丸みを強調してしまうので注意しましょう。

顔まわりはアゴぐらいの長さは必ず残します。
そうすることで横幅を狭くして小顔に見せることができるので、失敗しないボブになります。
顔まわりを短くしすぎる・軽くしすぎると丸みを強調してしまうので、避けた方が良いでしょう。

前髪は作る、分ける、どちらでも似合わせる事ができます。
分ける場合はセンターパートよりも、左右どちらかで分けた方がより似合います。

前髪を下ろす場合は隙間をつくって斜めに流します。
顔の横幅に対する縦幅の比率を広げて小顔に見せる事ができ、失敗しないボブになります。
下ろす場合は前髪の幅を目尻ギリギリのラインでカットします。
目尻幅を大きく超えてしまうと横幅を広げてしまうので
セルフカットをされる場合は幅を広げてしまわないようにご注意下さい。
重めで目の上ギリギリの前髪は、横幅を強調することで失敗してしまうので避けた方が良いでしょう。

失敗しないボブ②頭の骨格に対してカットラインを似合わせる
例として、「絶壁」や「ハチ張り」に似合わせるためには、以下のようなデザインにするのが失敗しないポイントです。
「絶壁解消にはカットで丸みをつける」
ショート・ボブくらいの長さの方は、カットで丸みをつける事ができます。
「グラデーションカット」「レイヤーカット」という段を入れるカット技術で、頭の形をより綺麗に見せることができるので、失敗しないボブになります。

首元に軽さを出すことで、シルエットに立体感が出て丸みが綺麗に見えます。
軽めの質感にカットすることで、自然なボリュームと動きをつけて絶壁をカバーする髪型に。

丸みをつけることで、髪にツヤ感とまとまりが出るようになります。
頭の形を綺麗に見せるだけではなく、カットラインによって髪の毛も綺麗に見えるようになります。
絶壁をカバーする失敗しないボブに。

ショートボブの表面にレイヤーを入れると、トップの毛が絶壁部分に落ちてボリュームが出やすくなります。
サイドにもふんわりとした質感を作ることで、奥行き感のある立体的なシルエットにして失敗しないボブに。
「ハチ張り解消①トップのボリューム」
ハチ張りを解消する髪型にするには、トップにボリュームを出す事が失敗しないポイントです。
トップがペタンとしてしまうと、ハチ張りを強調してしまうからです。
そのためにポイントとなるのが、「分け目」
分け目をセンターにするとトップにボリュームが出づらく、逆にハチ部分のボリュームを強調してしまいます。
少しサイドに分け目をとることでトップにボリュームを出し、ハチ張りを目立たなくする事ができます。

「ハチ張り解消②Aラインシルエット」
ハチ張りを解消するもう一つの失敗しないポイントは、「Aラインシルエット」
Aラインシルエットとは、毛先にいくにつれてボリュームのある髪型の事です。
逆にいうと、毛先にボリュームのない髪型はハチ張りを強調してしまいます。
毛先にボリュームを出す方法は、パーマやアイロンでカールをつける事です。
正面から見たときに髪型の下側にボリュームを出す事でハチ張りを目立たなくする事ができ、失敗しないボブになります。
失敗しないボブ③髪質に合わせた量の調整
ボブは元々が重ためのスタイルなので、量の調整がとても重要になります。
細くてサラサラの髪質の方は、量はほとんど減らさずに毛先の質感調整だけで良いでしょう。
太くて硬い髪質の方は、量を減らして軽さを出しながら、毛先の質感調整でも柔らかさを出すことが失敗しないポイントです。
ハチが張って見えてしまう、ハチ周りのボリュームが出やすい方は、ポイントでの量感調整も必要になります。
基本的には表面の毛は短くしすぎず、内側のハチ周りの量感を軽くすることでハチ張りを解消して失敗しないボブになります。
写真のピンクで囲んだ部分に、量を減らす質感調整カットを入れていきます。

失敗しないボブ④生えグセ・髪のクセに合わせたカット
ボブのカットで大事な失敗しないポイントの1つに「襟足のカット」があります。
襟足は生えグセ・髪のクセが出やすい部分なので、場合によっては浮いてしまったりハネてしまう事もあります。
その場合は、襟足の部分を表面の髪でカバーする必要があります。
襟足を軽くしすぎてしまうとクセが出て、扱いが難しくなる場合があるので注意が必要です。
また、髪のクセが強い場合には長さの設定が重要になります。
肩につくくらいの長さのボブの場合、クセによって広がったりハネてしまう場合があります。
対応策としてはクセが目立たない長さまで短くする、クセを生かした髪型にする、縮毛矯正やパーマでデザインを変えるといった方法が失敗しないためには有効です。


失敗しないボブ⑤ヘアカラーとのバランス
ボブはヘアカラーとのバランスがとても重要な髪型で、失敗しないポイントです。
ヘアカラーをされる場合のオススメは「透明感」と「ツヤ感」のあるカラーです。
重めなシルエットがベースのボブだからこそ、カラーでは「透明感」を出し、
ボブのデザインポイントである「ツヤ感」をさらに出すためです。




黒髪の方には黒髪に似合うように、カットでシルエットを調整していきます。
暗めの髪色の方にも、同じような考えで似合う髪型にするのが失敗しないポイントです

毛先に段を入れて軽さを出す事で、重たく見えないようにバランスが取れます。
黒髪のボブは毛先の質感調整がとても大切です。
同じ黒髪でも、髪が太い方と細い方でもボリュームの出方が全く変わってきます。
ボブは髪質に合わせてカットする事で、より失敗しないデザインを作ることができます。

カールで動きをつける事で、抜け感が出て柔らかい黒髪ボブになります。
直毛の方は黒髪だと硬い印象になりやすいので、パーマでふんわりとした質感を作ります。
髪に動きが出ることで黒髪でも軽やかなイメージの髪型になり、失敗しないボブに。

前髪からサイドへ自然に流れる毛流れを作る事で、顔まわりをすっきりと見せて軽やかな印象になります。
黒髪ボブは顔まわりに動きがないと、のっぺりとした印象になりやすいので、前髪からサイドへ自然につなげるようにカットすることで、明るいイメージを与えるヘアスタイルになります。

毛先に段を入れてカールをつける事で、柔らかい質感が出て動きのあるスタイルになります。
段を入れると表面の髪がふんわりすると同時に、毛先の質感を軽くすることができ、さらにワンカールのパーマをかけシルエットをより綺麗に見せることで失敗しないボブに。
失敗しないボブ⑥カウンセリングでしっかりとイメージを共有する
これはとても大切なポイントで、僕がお客様にスタイルチェンジをさせて頂く時には一番大事にしている事です。
なりたいイメージが決まっている場合は、長さがどれくらいか、カットラインはどうするかなど、細かいデザインもしっかりとスタイル写真で共有することが失敗しないために大切です。
なりたいイメージが決まっていない場合でも、相談の上で決まった髪型が写真で見るとどういうスタイルなのかを共有する事が失敗しないためにとても大切です。
また、最初のカウンセリングだけでなく、ある程度カットが仕上がった段階での最終調整が失敗しないためにとても重要です。
「もう少し軽くしたいか」「もう少し短くしたいか」などは、実際にカットしてみて初めて感じる部分です。
この最後の調整によって、本当に満足できる「失敗しないボブ」が完成すると考えています。